クラウド型生産管理システムのメリット・導入のポイントについて解説
生産管理システムを導入したい、自社のシステムをクラウドに移行したい、と考えている経営者や生産管理の担当者様はいらっしゃるでしょう。
この記事ではクラウド型生産管理システムを導入するメリットやポイントについて解説します。
生産管理システムとは
「生産管理」はJIS Z8141では「財・サービスの生産に関する管理活動」と定義され、QCD(品質・コスト・数量および納期)を最適化するための、生産計画・実施・統制を行う手続きや活動を指します。狭義には「工程管理」を指す場合もあります。
生産管理システム生産管理を効率的に行うシステムです。
多種多様な生産・製造物を扱う必要があるなかで、システムによって高精度に管理することはコスト削減と品質向上に寄与し、メリットの多い方法といえるでしょう。
クラウドシステムとは
クラウドとは、雲のように中身が分からない状態でもサービスが利用できることを意味していますが、定義はあいまいです。
従来はオンプレミス、すなわち自社内にサーバーやストレージ、アプリケーションを保有して保守管理をしながら利用するという方法が一般的でした。
一方、クラウドシステムは自社にリソースを持たずに外部サービスを利用します。サービス側でどのようなリソースが使用されているかを知らなくても、ユーザーとして利用できるのがクラウドシステムです。
● 登録・認証してすぐに利用可能
● 利用範囲の違いでSaaS、PaaS、IaaSなどの種類がある
● 容易に導入・低コストで運用・自動的にアップデートされる
などの一般的な特長があります。
クラウドERP
ERP(Enterprise Resource Planning:企業資源計画)とは、経営資源の分配を最適化して有効に活用する計画です。
最適化するためには一元管理が必要で、企業内に分散している情報その他のリソースを、リアルタイムで正確に把握することが求められます。
クラウドERPはクラウド化されたERPシステムです。これによって社内でのインフラ構築と保守が不要になるというメリットが生まれます。
ERPは企業全体の業務を統合管理し、生産管理システムはその一部として機能するという位置付けです。
生産管理システムをクラウドにするメリット
オンプレミスの生産管理システムに対するクラウドのメリットを挙げます。
● 社内にシステムを持たなくてよい
● システムの保守・管理を自社で行う必要がない
● 離れた事業所、出張先からもシステムが利用できる
インフラやプラットフォーム自体に関与しなくて済むため、生産管理業務に集中できるメリットがあります。
クラウドは多くのユーザーを抱えており、高度なセキュリティで守られています。自社に特化しているオンプレミスよりも、セキュリティは高いという見方が可能です。
クラウド型生産管理システムの主要な機能
クラウド型生産管理システムの主要な機能について解説します。
生産管理システムは生産管理を最適化するため、各種の業務を効率化します。
オンプレミスでも同様の機能が設けられますが、クラウドは導入やアップデートが迅速であることが大きなメリットです。
参考:「基幹システム開発」
生産計画
生産計画は、JISでは「生産量と生産時期に関する計画」と定義されています。
長期の生産計画があり、そこから月別・日別・部門別のように落とし込んで生産量や生産時期が決められる計画です。
生産計画のなかには購買・生産・出荷の個別の計画も存在します。
需要の予測や在庫状況を分析して最適な生産計画を策定することで、過剰在庫や納期遅延を防いで生産・供給の質を高めるとともに、コストの最小化が可能です。
工程管理
工程管理は、JISでは狭義の生産管理と定義されており、生産工程を統制する意味があります。
工程管理のなかには購買・生産・出荷の個別の管理も存在します。
購買から生産・出荷に至る工数を統合的に管理し、各工程の負荷を見ながら業務プロセスが適正になるように調整します。
たとえば次のような管理項目があります。
● 仕入れ納期
● 材料の品質
● 生産物の品質
● 在庫量
● 生産物の納期
● 出荷の確認
このように、工程管理は生産そのものに対する管理といえるでしょう。
在庫管理
在庫管理は、JISでは「必要な資材を、必要なときに、必要な量を、必要な場所へ供給できるように、各種品目の在庫を好ましい水準に維持するための諸活動」と定義されています。
在庫管理の方式は大別して次の2種類です。
● 定量発注
● 定期発注
在庫管理プロセスでは、リアルタイムで在庫量を把握・分析し、仕入れを調整して欠品や余剰在庫が生じないようにします。
このように在庫を適正化することで不要なコストが生じるのを抑え、利益を最大限確保します。
原価管理
原価管理はいわゆるコスト管理を意味し、仕入れなど生産に必要な原価を算出して管理することです。
製品の価格や売上が一定の場合、仕入れ原価が上昇すると利益を圧迫するため、一定水準以下に管理する必要があります。
目標値を定め、実績と比較して整合性を確認します。
また労務費などの経費を含めて管理することで、生産プロセスの利益の最大化が可能です。
クラウド型生産管理システム導入のポイント
クラウド型生産管理システムを導入する際のポイントについて解説します。
次の内容はシステム導入全般にいえますが、生産管理やクラウドに関するポイントを含めています。
導入目的・注意点を明確にする
導入目的や、システムを使用するうえでの注意点は明確にします。
コスト削減や人材不足解消、生産性向上など、目的はさまざまでしょう。
主たる目的はどれなのかを明確にし、システム導入によって達成することを課題とします。
システム化する範囲は生産管理のフロー全体なのか、たとえば購買管理に特化するのかを見定める必要があります。
現状の生産管理の問題点を洗い出し、その原因となっている工程をシステム導入によって改善するという明確な目的意識が必要です。
必要な機能を確認する
前述したように生産管理には各工程があり、それぞれが生産管理システムの機能として存在します。
優先度の高い工程と対応する機能を特定し、導入を検討しましょう。
クラウドシステムの場合は、認証方式などのセキュリティ面も確認することが重要です。
最終的に生産管理全体をシステム化したい場合、全体を見据えたうえで優先される機能から導入するなど、リスクの少ない導入計画を立てることが重要です。
対象のシステムが、そのような柔軟な導入に対応できるかについて確認しましょう。
費用対効果を算出する
システム導入の際に費用対効果を算出することは、経営の基本動作ともいえるでしょう。
DXを推進する一環として位置付ける場合、DXにかける費用(予算)や生産管理システムに割り当てる費用を明確にします。
導入したあとの効果についてシミュレーションを行って効果を算出します。
そのうえで費用対効果を算出し、導入の可否を決定しましょう。
生産管理システムをクラウドで開発
クラウドを利用した導入には、既製のクラウドシステムを導入する方法と、新規開発する方法があります。
既製のクラウドシステムの場合、短期間・低コストで導入可能です。ただし自社のニーズにマッチしない場合があるため、機能や使い勝手については導入前に十分な確認が必要となります。
オーダーメイドの新規開発は、自社の生産体制に即した機能を手に入れられるメリットがあります。業務フローにぴったりのシステムで最大限に効率化できるでしょう。
クラウドを利用した新規開発は、オンプレミスに比べてコスト・開発期間を大幅に抑制可能です。
XROSS-CLOUDでの開発例
生産管理に関する開発例として、フルオーダー開発による「生産販売在庫管理システム」があります。
サーバー管理が不要な、いわゆる「サーバーレス」のクラウドを利用してアプリケーションの開発に専念し、着手から約1年半で運用開始しました。
Webアプリケーションのためブラウザがあれば端末を問わず利用可能なシステムです。
生産現場ではタブレット端末を使用して在庫管理を行っています。
生産販売在庫管理システム
クラウド | AWS Fargate |
OS | Linux |
Web/APサーバー | Nginx |
開発 | Laravel、React.js、GraphQL |
DB | Amazon Aurora MySQL |
クラウドシステムのエキスパート XROSS-CLOUD
XROSS-CLOUD(クロスクラウド)は最先端のクラウド・AI技術で業務改善を実現します。
XROSS-CLOUDの価値
①フルオーダーメイド
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企業のDXを見据えた開発・保守と既存システムからのリプレースを支援し、基幹システムとWebシステムを効果的に連携したサービスを展開しています。
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