DX時代到来!AIシステム開発に抑えておくべき人工知能の基礎【後編】
少子高齢化社会の日本では、労働力不足を補う手段としてAI(人工知能)を導入することで、限られた人的資源を有効に活用しようとしています。
例えば、アメリカでIoTをフル活用した無人コンビニエンスストア「Amazon Go」が大きな話題となりましたが、これはAIがカメラの映像を正しく解析することで、商品をレジに通すことなく、店を出る時には自動的に決済が終わっているという仕組みです。
日本でも近い将来、同型のコンビニエンスストアの導入が予定されています。
また単に効率化のみにAIを利用するのではなく、ディープラーニング(深層学習)などの最先端技術を駆使し、製品やサービス内において、新たな価値を創造することも期待されています。
前回のコラムでは、AI(人工知能)の「定義」、AIの種類である「機械学習」や「ディープラーニング(深層学習)」、AIのシステム開発には必要不可欠である「ビッグデータ」など、AIのシステム開発において知っておくべきAIの基本について解説致しました。
引き続き今回はAIのシステム開発の「プロセス」について、4つのフェーズに分けてご説明していきます。
構想フェーズ
「構想フェーズ」とは、まず解決すべきビジネス課題を特定し、AIがその課題の解決策となり得るかを検討する段階のことです。
AIが課題解決となり得る場合、どのようなAIモデルを用いれば成功するのか、またその開発は実現可能か、というAI観点からの検討が必要です。
そして同時に、導入によりどのような自社メリットをもたらすかなど、また投資対効果は高いのか、というビジネス観点からの検討も必要になってきます。
特に後者では、現場からのボトムアップで社内決裁を取得する際や、経営陣からのトップダウンでプロジェクトを進行する際の投資判断として必要となるでしょう。
この「構想フェーズ」で各タスクを検討し尽くしたか否かで、続く「PoC」「実装」「運用」フェーズの進捗が大きく左右されると言っても過言ではないでしょう。
PoC(Proof of Concept)フェーズ
PoC(Proof of Concept)とは「構想の証明」と訳され、「PoCフェーズ」で、先ほどの「構想フェーズ」で想定したAIが技術的に実現可能か否かを、検証していく段階になります。
まずAIの仮モデルとなるモックアップ(模型)を開発しますが、AIの精度はデータの量と質に大きく依存するため、例え同じアルゴリズムを使ったとしても、データ如何で期待する結果が出せない可能性があります。
このように、AIのシステム開発は「実際にやってみないと分からない」という性質を持つため、「PoCフェーズ」では実用性や投資の妥当性の検証を行うのです。
実装フェーズ
「PoCフェーズ」を無事クリアできれば、モックアップの開発内容をシステムとして完成させる段階へと移ります。
「実装フェーズ」では、実際の業務やサービスというビジネス上の実務オペレーションにおいて、問題なく動作するかの検証を行います。
このようにシステム化することによって、非属人的で継続的に成果が出せる仕組みを作るのです。
運用フェーズ
そして「運用フェーズ」では、実際にシステムを運用していく最終段階です。
「構想フェーズ」で設定した課題の解決状況を都度確認しながら、PDCAサイクルを回していきます。
AIモデルの精度を定期的にモニタリングし、モデルを改善していくことも大切です。
クロスクラウドの強み
AI活用は業務改善から入ることが一般的です。
しかし業務全般を俯瞰し、どの部分でAI利用すると経済的効果が出せるのか、また新たなビジネスの知見を発見するためには、一定の業務領域の知識・経験が必要となります。
システム開発では、お客様の「不」をしっかりとヒアリングし、お客様とベンダー間での情報共有をしっかり行った上で、適切な初動を起こさねばなりません。
システムの運営においてどのようなゴールを描くべきなのか、そしてそのゴールからの現状への逆算がとても大切な課題となります。
そのような戦略的コンサルティングとリーダーシップは、クロスクラウドの得意とする領域であり、AIベンダーとしてお客様の満足・納得を第一にシステム開発を行っております。