ITを手段にDXを推進する!正しく理解したいIT化との違いとは?
近年、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)の重要性を論じられる場面が多くなりましたが、日本企業のデジタル活用は、世界から周回遅れの指摘も強く、決して見通しの良いものではありません。
そこに新型コロナウィルスの大流行による追い打ちが掛かり、企業は否が応でも、ワークフローの見直し・テレワークの導入といったDXへの対応を求められています。
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは
そもそもDX(デジタルトランスフォーメーション)とは、AIやIoT、5G、クラウドといったデジタル技術を総合的に活用することにより、企業が製品やサービス、延いてはビジネスモデル・業務プロセスを変革・進化させた結果、エンドユーザーの生活が向上することを示しており、競争優位性を確立することを意味しています。
経済産業省が提唱したDXレポートによると、20年以上稼働し続けているレガシーシステム(既存の基幹システムやソフトウェアなどが、最新技術に適用しにくい柔軟性や機動性に欠けたシステムであること)が、2025年前後には国内企業のシステム全体の6割になると予測されています。
そしてこのレガシーシステムが企業の足枷に働き、2025年以降、年間最大12兆円の経済損失を発生させる可能性が報告されています。
これを「2025年の崖」と呼び、国内企業が世界市場で勝ち抜くためには、DXを進めることが必須条件であると、経済産業省は示しています。
DXとIT化の違いとは
DXと混同されやすい言葉にITがあります。
ITとはインフォメーションテクノロジー(Information Technology)の略で、コンピューターとネットワークを利用した技術の総称です。
簡単に言うと、アナログをデジタルに変えていく技術のことで、例えば、「経理において手書きの帳簿を付けていたのに対し、パソコン端末から入力・集計し、各々の部署で閲覧できるようにする。」などが挙げられるでしょう。
このようにIT化とは、デジタル技術を活用し、作業や業務の効率化・組織の生産性の向上を目的としています。
一方、DXはITを手段に、ビジネスモデルを変革することを目的にしているのです。
DXの具体例
家庭教師派遣事業
家庭教師を全国に派遣する業界屈指の家庭教師派遣会社では、累計120万人の指導実績をベースに、オンライン授業型の学習サービスを展開。
中高生のスマートフォン利用率の増加を背景に、スマホやタブレットで利用しやすいよう、15分単位の映像授業を配信し、視聴中生徒がスマホを振ると、直接教師に質問ができる仕組みを整えました。
教育現場にデジタルを介入させることで、家庭教師派遣事業から学習コンテンツ提供事業へとビジネスモデルを大きく変革させたのです。
DXの基盤となるIT化のポイント
DXレポートが注目を集めたことに加え、新型コロナウィルスの大流行により、企業はビジネスの変革を迫られ、一躍DXは重要なキーワードとなりました。
しかしながら未だ現状は、国内企業の9割がDX未着手・DX途上に留まっています。
その根底には、企業内に事業変革の体制が整っていないことが、原因と言えるでしょう。
DX推進の前提となるIT化において、まず初めに抑えておくべき重要なポイントが、データの電子化と、システムのクラウド化の整備です。
データの電子化
テレワークの普及と共に、データの電子化に取り組むことが主流になっています。
コロナ禍において「場所にとらわれず働く」という考え方が、一足飛びに進んだ結果ともいえるでしょう。
Beforeコロナのような紙媒体のドキュメント管理は、現在クラウドストレージ上でペーパレスのドキュメント管理へと変化しています。
ペーパーレス化を実現するために、取り組むべきはデータ入力です。
紙に書かれたテキストをデジタルで活用するためには、当然、デジタルデータ化せねばならず、これに助け舟を出してくれるのが「OCR」です。
OCRは、Optical Character Reader(またはOptical Character Recognition)の略で、活字や手書き文字を読み取り、データと照らし合わせ文字を判断し、電子化してくれる「光学文字認識機能」と定義されます。
膨大な時間と、多大なヒューマンエラーを生むであろうデータ入力を、人間に代わり効率的に行ってくれる技術がOCRなのです。
システムのクラウド化
データの電子化と並行し、取り組んでいくべき事項がリモート環境の整備です。
「場所にとらわれない働き方」のためには、システムのクラウド化が必要になってきます。
従来の主流であったオンプレミス環境では、出社が前提の環境であり、今求められている働き方では、組織の機動力が弱くなってしまうと言わざるを得ません。
またオンプレミス型のシステムは、組織内の複数のシステムを統合することに不向きであり、部門間のデータ共有が困難であるというデメリットもあります。
対してクラウドは「API」と連携し、異なるシステムを容易に統合できるという大きなメリットがあります。
サーバ不要のためコストを抑え、スピード導入ができるため、システムのクラウド化は中小企業にも導入が進んでいるのです。
クロスクラウドとは
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