DX化のための基礎知識!基幹システム、ERPパッケージとは?
新型コロナウイルスによるパンデミックへの社会的対策として、多くの企業がリモートワークへと切り替えを余儀なくされました。
人類にとって、「場所にとらわれず働く」というニューノーマルが加速的に進んだ2020年だったのではないでしょうか。
このようにBeforeコロナとWithコロナ・Afterコロナ時代では、ビジネスの日常が大きく変化することになりました。
例えば紙によるドキュメント管理は、クラウドストレージ上でペーパーレスのドキュメント管理へと変化し、同様にはんこ大国日本は、印鑑レスへと舵を切り始めました。
時間管理による人事評価も、成果主義によるものへと評価を改めるなど、企業にとって「場所にとらわれず働く」ということには、ビジネス環境の整備を進める必要があるのです。
2025年の崖
最も大きな課題は、これまで社内システムで構築し運用してきた基幹システムをどうオンライン化するかということです。
しかしこれからのAfterコロナ時代を勝ち抜くシステムとして捉えると、拡張性と柔軟性に富んだ基幹業務アプリケーションの開発は必須事項とも言えます。
「2025年の崖」「SAP2025問題」(既存の基幹システムやソフトウェアなどが時代遅れのシステムになっている問題)の言葉が表す通り、言い換えれば基幹システム自体が古いままだと、いつまで経っても本格的なリモートワークを始めとする遠隔ビジネスが促進されることなく、時代に取り残されていく結果になるのです。
基幹システムとは
基幹システムは、会社の根幹を成す機能をシステム化したもので、重要業務を支える様々なシステムのことを指します。
例えば、生産・販売・在庫購買・会計・人事給与に関するシステムなどがこれに該当します。
これらは部門ごとによって求められる情報・処理方法に違いがあるため、従来部門ごとに導入されたシステムによって、それぞれのデータベースで処理されるのが通常でした。
しかし企業の業務フローを俯瞰して見ると、これら個々の業務は全てがリンクし合っており、最終的には会計業務に集約されるものです。
この時、部門間でのデータの受け渡しフローに手間と間違いが生じることを防ぐため、バラバラの業務管理を連携させ、効率的に運用していく必要性が生じてきました。
そこで登場したのがERPです。
ERPとは
ERPとは「Enterprise Resource Planning」の略で、「企業資源計画」と訳すことができます。
「企業資源」とはヒト・モノ・カネ・情報を指し、それらを一元管理し有効活用する考え方をERPと言い、最近では生産管理・財務管理・勤怠管理など、企業の基幹業務をサポートする業務システム自体をERP(ERPパッケージ)と呼びます。
ERPの由来となる資材所有量計画(MRP=Materials Requirements Planning)という生産管理の手法が、経営学にはあります。
このMRPを一般企業にまで展開し、経営資源を最適化させ経営を効率化させるために登場したのがERPです。
ERPは企業活動における「生産」や「販売」など、部門ごとに管理されていたデータ処理を統合することで現場業務を効率化すると共に、そのデータを一元管理することで経営に必要な情報として可視化し経営判断のスピードアップを促すシステムとして開発されました。
またこれらの経営情報は、昨今の「働き方改革」やグローバル化、コロナ禍の中での企業の生き残り戦略として注目されているBPR(Business Process Re-engineering)に生きてくるでしょう。
オンプレミスからクラウドへ
近年、IT環境の進化においてSaaS(Software as a Service)型による展開も始まっており、SaaSを使用したクラウド型のERPを導入する企業が増え続けています。
クラウドERPとは名前通りERPをクラウドサービスとして提供するもので、例えばGmailやブラウザのように、インターネット上でサービスとして提供されるので、導入する際の社内インフラ整備が不要となります。
必要なのは、インターネット接続環境とPC、それと毎月の利用料です。
従来、大規模なプロジェクトと莫大なコストを必要としていたERP導入も、「インフラ構築不要」という強力なメリットがあるため、中小企業でも導入が進んでいます。